前回の講座で、速く走るためには大きな筋力が必要であることを説明しました。今回は、レースに必要な体力をさらに詳しく考えてみましょう。
レースに必要な体力
前回、レースに必要な体力は「1周を走りきる力」と「それを最後まで維持する力」にわけられると書きました。これを図に表してみると、次のようになります。
「1周を走りきる力」をゴールまで積み重ねたものが「1レースを走りきる力」です。実際には、各周回を走りきるために必要な力は必ずしも一定ではありません。たとえばレースの後半には燃料タンクが軽くなってペースが上がったり、逆に渋滞に巻き込まれてペースが上がらなかったり、天候による変化もあったります。そうすると、「1周を走りきる力」の棒の長さ(高さ)は長くなったり短くなったりします。つまり、四角の上の辺は不ぞろいの凸凹になります。すべての周回を同じペースで走ると仮定すると、「1レースを走りきる力」は上図のような長方形で表されます。
周回するペースが一定であると仮定して、1レースを走りきるために必要な体力を大まかに計算すると、レースを走りきる力=1周を走りきる力×周回数ととらえることができます。レースのレベルが高くなるほど、レース距離は長くなり、マシンのスピードも速くなります。マシンのスピードが速くなれば、1周を走りきる力は大きくなり、棒の長さが長くなります。レース距離が長くなれば、周回数(=棒の本数)が多くなります。したがって、レースを走りきるために必要な力(=四角の面積)は大きくなります。
入門クラスのフォーミュラではラップタイムも遅く、レース時間も短いですよね。F3クラスになるとラップタイムはだいぶ速くなり、レース時間も30分程度になります。Fニッポンクラスでは、ラップタイムはさらに速くなり、レース時間は約1時間〜1時間半になります。F1クラスのラップタイムはFニッポンよりやや速く、レース時間は約2倍の2時間となります。こうしてみると、入門フォーミュラとF1ではけた違いの体力を必要とされることがわかります。スピード的にはF1に近いといわれるFニッポンでも、必要とされる体力はこんなにも違います。(上図は、各クラスによる違いをわかりやすくイメージしたもので、実際の筋力量やレース時間を正確に表示するものではありません)
上のカテゴリーに進むことのできる選手は、それだけの体力がありますから、参戦しているカテゴリーでは飛び抜けた結果を記録するのがふつうです。現在参戦しているカテゴリーに対して十分な力を鍛えるだけでなく、ステップアップする先を見越したトレーニングが必要です。
2000.10.10