バスケットボールやバレーの選手は背が高く、ラグビーのフォワードはがっしり、お相撲さんは太っていて、長距離ランナーはほっそりしているなど、それぞれのスポーツに適した体型があります。では、レーシングドライバーに適した体型とはどのようなものでしょうか?
レーサーに適した体型
プロのレーサーに適した体格・体型としては、上半身が逆三角形で体全体がスリムであることと言われています。全体がスリムであるのは、体脂肪が少なく、よけいなウェイトをつけないため。また、持久力が必要なために、有酸素運動に適した細い筋線維が多くなっているからです。上半身が逆三角形であるのは、首や肩の筋に大きな力が必要なためです。
身長が高い方が、筋肉の立体的なボリュームが大きくなるので、筋力は大きく、より速いマシンに適応できると考えられます。また手足が長くなると衝撃緩衝のためのクラッシャブルゾーンが拡大し、衝突時にはより多くの衝撃を吸収して体の重要な部分を保護することが可能です。ただしあまり身長が高くなりすぎると、マシンの中で適切な姿勢を保つことが難しくなり、操作が適切にできなくなる場合もあるので、「適当な」身長のあることが好ましいでしょう。
一流のレーサーを見ると、確かに皆そのような体型をしています。これからレーサーを目指す人は、そのような体型を目標にトレーニングを計画していくとよいでしょう。しかし実際問題として、体型が目に見えて変わるほどにトレーニングを積むのは容易なことではありません。というのも、体格・体型にはもともとの体質や遺伝的な素因が深く関係しているので、そうしようと思って鍛えれば誰でもそうなるというわけではないのです。
つまり、体型もひとつの素質と考えることができます。したがって多くのスポーツで、その競技に適した体格・体型の選手を選んで養成する方法がとられています。優秀なレーサーを育てたい、あるいは将来有望な選手を採用したいと考える場合には、そのような体格の選手を選ぶのが早道であるかもしれません。
では、体型が理想と異なる選手はレーサーを諦めるべきなのでしょうか?そうではありません。他の競技でも、体格的に不利な選手がずば抜けた才能を見せていることもあります。もちろんその場合、体力以外の点で、人より優れたものを持っていることが要求されるでしょう。
その他にドライビングのテクニックやセンスなどなど、必要とされる素質はたくさんありますが、それらはモータースポーツ医学の扱う問題ではないので、ここでは詳しく取り上げません。
2000.07.11