レーサーになるには、どんな条件が必要なのでしょうか?
基本的には、どんな人もモータースポーツを楽しむことが可能ですが、プロフェッショナルなレーサーになるためには、ある程度の基準を満たさなければなりません。
視力
左右それぞれに1.0以上の視力を得ることができる
眼鏡やコンタクトレンズなどを使用しての視力でもかまいませんが、その場合レース中(練習走行などを含む)は必ず装用しなければなりません。
立体視や動体視力に問題がない
眼科的疾患がない(白内障、網膜剥離など)
フラッグの色を識別できる
運転に必要な情報のほとんどは目から入ってきますから、視力・視覚はとても大切です。また、見たものを瞬間的に認識・判断する能力や、的確で素早い眼球の動きなどは、日頃から練習しておくことが可能です。
聴力
チームやオフィシャルからの指示を聞くために支障のない聴力がある
モータースポーツにおいて、聴力障害(騒音性難聴)は発生頻度の高い健康被害です。聞こえの悪さはコミュニケーションの不良を来たし、チームすべての人にとって喜ばしくない結果をもたらします。レーサーのみならずレーシングチームの関係者は、日頃から耳(聴覚)の保護に十分注意する必要があります。
嗅覚
マシンに起こっている異常を感知するために正常な嗅覚も必要です
手足
正常に機能すること
しかし手足の一部を喪失あるいは手足の機能に障害のある場合でも、ハンディキャップレーサーのための十分な配慮と準備があれば、モータースポーツを行うことは可能です。
心臓
心筋梗塞や狭心症などの冠血管病変のないこと
(診断されていない場合を含めて)狭心症(胸痛)などの症状のないこと
一部の不整脈も運動負荷による突然死の危険性があるので、過去に不整脈のあった人は、医師の診断を受けることが望ましいでしょう。レース中の突発的な事故の原因の一部は、心臓発作によるものと見られています。モータースポーツが心臓への負担の大きいスポーツであることを認識しましょう。
精神
精神病(うつ病、精神分裂病など)、人格障害の既往がない
(診断されていない場合を含めて)明らかな精神症状がみられない
アルコール依存症、薬物中毒がない
パニック、神経症などにより、安全のための努力を遂行できなくなる可能性のないこと
神経
てんかん発作及びてんかん以外の意識障害発作のないこと
その他の疾患
利尿剤を必要とする高血圧、あるいはコントロール不良の高血圧のないこと
治療を要する糖尿病のないこと
その他の疾患により、安全のための努力を遂行できなくなる可能性のないこと
モータースポーツは、安全のためにお互いが最大限努力するという前提で成り立っているわけです。原因が何であるにしろ「安全のための努力」ができない選手には参戦資格がありません。原因が病的なものであっても、意識的に行ったものであっても、わざと他人を危険に陥れようとしたり、あるいは自らの危険を避けることができない状態に陥ったりした選手については、2年間は競技に参戦させないようにと、アメリカのモータースポーツドクターは勧告しています。レース中の興奮状態または混迷状態にあっても、自分と他人の生命を大切にすることがプロのレーサーにとって最も大切なことだからです。
2000.05.05