これまで述べてきたように、レースは有酸素運動ですから、酸素をいかに多く取り込むかが重要なポイントです。車のエンジンにおいても、より多くの空気を取り入れるために、吸気口の形状やその周囲の気流などが細かく検討されています。ドライバーも車のエンジンと同様、酸素を上手く取り入れなければ速く走ることはできません。人間の場合、酸素の取り入れ口となるのが呼吸機能です。運動時の呼吸について考えてみましょう。
私達は呼吸により酸素を取り込み、二酸化炭素を排出しています。レースのような持続的運動においては、いかに効率的に酸素を取り込むかが重要です。正常な肺機能を持った人であれば、運動時に二酸化炭素の排出が問題となることはありません。
運動をすると、組織での酸素需要が大きくなります。1回の呼吸で取り込める酸素の量が一定だと仮定すると、より多くの運動を行うためには呼吸回数を多くしなければなりません。しかし呼吸回数が多くなるほど、呼吸筋の疲労は大きくなります。また、ある程度以上に呼吸が速くなると、1回の呼吸で換気できる空気の量はかえって減ってしまい、効率が悪くなります。したがって、なるべく呼吸回数は少なく抑えたいのです。そのためには、1回の呼吸で取り込める酸素の量を増やす必要があります。
肺活量を増やす
持久力トレーニングを行うことにより、肺活量が増加します。肺活量の増加により、1回の呼吸で吸ったり吐いたりする空気の量(1回換気量)も50〜60%増加します。
酸素の取り込み効率を高める
持久力トレーニングを行うことにより、肺でのガス交換が効率化します。そうすると、同じ1回換気量でもより多くの酸素を取り込むことができるようになります。一般成人の酸素取り込みの量は0.3リットル/分ですが、トレーニングによって4リットル/分にも増加します。世界のトップレベルのアスリートでは6リットル/分程度の酸素取り込みが可能といわれています。
このように、効果的な持久力トレーニングを行うことによって、肺活量を増大させ、肺からの酸素の取り込み効率を改善することが可能です。その結果、より少ない呼吸回数で運動に必要な酸素を取り込むことができるようになります。
酸素の取り込みが増える
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ATPの産生が増える
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より大きな筋力を発揮できるまた、トレーニングを行うことにより、組織でのエネルギー産生の効率が高まります。そうすると、同じ酸素消費量で10〜20倍ものエネルギーを産生できるようになるのです。こうしてますます少ない呼吸回数で同じ運動をこなすことが可能になります。
トップアスリートには、一般の正常値を大きく上回る呼吸機能が必要とされます。生まれつき、そのような高い呼吸機能を持つ人はいません。ドライバーのエアリストリクター径を大きくできるのは、日頃のトレーニングだけです。
☆ポイント☆ 呼吸機能を高めて酸素をたくさん取り込もう
2000.06.23