symptom synchronization

 これは私の勝手な造語ですが、小児科医にはこれがけっこう大事じゃないかと思っているのです。

 どういうことかというと、患者さんの症状を同じように体験するということです。教科書的な知識であれこれわかっていても、同じ症状になってみないとわからないことが多いと思うのです。というのも、もともと医者には丈夫な人が多くて、私が学生の頃なども、臨床医になりたいんだったら、一に体力、二に体力、三、四がなくて五に体力と言われました。実際にパワフルで丈夫な人が多いような気がします。また、そうでないと勤まらない仕事なんですよね。でもどうなんでしょう?休まず働く病気知らずの医者よりも、患者さんの痛み苦しみをよく知っている、ちょっと病弱な医者の方がいいこともあるんじゃないでしょうか?

 特に小児科の場合、その時その時で流行る病気というのが変わります。一口に風邪といっても、原因になるウィルスは何百種類もあって、その時々の流行の風邪の症状というのも様々なわけです。ですから、患者さんの痛み苦しみを一番よく理解するには、その時その時に流行っている風邪に実際にかかってみて、どんな具合かを知るのが一番確実で早いのです。そうすれば、のどがおかしいとか、変な咳をするとか、目がなんか変だとか、患者さんが訴えてきた曖昧な内容をより具体的に理解できます。

 かといって、その度に熱を出して寝込むわけにもいかないし、患者さんにうつしては元も子もないので、ちょっと風邪の味見だけをして、決して倒れないように、その微妙な加減が難しいところです。(というか事実上手加減はできないのですが)

 私の場合、あまり免疫力が高くないせいか、患者さんの持ってくる症状はだいたい同期できているような気がします。喘息やアレルギー性鼻炎もあるので、季節や天候の変化による症状の変化にも即時対応?しているつもり。これは自分としては便利な体質だと思っているのですが、自分が辛いときには仕事も忙しいというのが難点ですね。

2002.02.04

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