発熱用冷却シートの謎

 発熱用冷却シートと言っても、何のことやらわからない人が多いかもしれません。「熱さまシート」や「冷えピタ」などの商品名で売られていて、熱が出たときにおでこに貼って冷やすというものです。海外旅行のときに持っていくと便利な物のひとつに数えられるくらい、お子様のいる家庭では広く普及しているようです。

 しかし、これを貼れば熱が下がると誤解している人が多くて困ってしまいます。「熱冷まし(解熱剤)はありますか?」と聞くと「あります」と答えるので処方しないでおくと、その「熱冷まし」とは「熱さまシート」のことだったりします。

 商品をよく見てみれば、そこに書いてある効能はあくまでも「冷却」であって「解熱」ではありません。たとえ体中に何十枚これを貼っても、熱は下がらなくて当然なのです。凍えるような寒さの中でも、熱は下がらないでしょう?冷たいタオルをしぼって替える代わりに、これをはって置けばヒヤッとして気持ちがよい、という程度の物です。実際に使用したことのある方はご存じと思いますが、高熱の時などは、ジェルの部分がお湯のように熱くなってしまって、あっという間に冷感はなくなってしまいます。

 それなのに、テレビのCMなどで、いかにも解熱効果があるようにうたっているのはどうかと思います。実際には熱を「下げ」も「取り」もしないのに、熱を下げる効果があるように思わせているのです。

 これを貼ったのに熱が下がらないので、心配になって受診される親御さんも少なくありません。その度に、「これは冷たくて気持ちがいいという程度のもので、これを貼っても熱は下がりませんよ」と説明することになります。

 子供の発熱は、親にとってはものすごく心配なものです。熱に苦しむ子供のために何とかしてやりたい、という親の気持ちに応えることは大切なことです。しかし、過大な効果があるように臭わせるのは、誠意がないってもんじゃないですかねぇ。

2001.04.16

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