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世界中のモータースポーツは、F1やインディに限らず、危険を伴うものなんだ。時速30マイル(時速48キロ)以上で走っていれば、怪我をする可能性は十分にあるよ。
少し前まで「F1は絶対に安全だ」というような「F1神話」というものがありました。しばらくの間、F1では人命に関わるような大事故は起きておらず、「現代のF1で重大事故は起こり得ない」と多くの人が信じていたのです。このコメントは1992年のものであり、おそらくその神話が崩壊したとき、多くの人々がレースに内在する危険性に直面したときのものでしょう。
ただ、「レースは危険だからやめましょう」という話ではないのです。どんなレースにも危険は伴う、それどころか、時速30マイル以上で走れば誰だって危ないのだ、という言い方をしています。「レースは危険だ」という表面的で一方的な批判を牽制するとともに、だからこそ安全のための努力を怠ってはならない、という警鐘を鳴らしているようです。
これまでも、これからも、それがレースである以上、F1にも危険はあるのです。「F1は安全だ」などと慢心してはならないという意味もあるのでしょう。
時速100キロ、200キロという速さでなく、時速50キロでも怪我をしますよという指摘は、我々素人ドライバーに対する警告でもあると思います。むしろ、安全のための様々な準備や訓練が行われている分だけ、サーキットレースの方が安全性は高いのです。
人々の憧れと尊敬を集めるトップドライバーだからこそ、スピードの持つ危険性を指摘するときに、その言葉の持つ意味は重く、その言動が欧米の自動車文化に与える影響は大きいと思われます。日本のレーサーも、日本の車社会のオピニオンリーダーとして大きな発言力をもつようになって欲しいと思います。
2001.02.14