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経験は決して最良の師ではない。なぜならそれは、失敗してみないと教訓が得られないからである。
モータースポーツを学ぶのは難しいことです。一度コックピットに収まったら、そこから先はドライバーがひとりで考え、判断するしかありません。マシンとその選手の状況を一番よくわかっているのは、その選手しかいないのです。
だから「自分で経験してみないと何事もわからないのだ」という人もあります。確かに選手達は、多くの失敗と成功を重ねて、いろいろなものを身につけていくのでしょう。しかし、モータースポーツの場合、失敗の先にあるのは敗北だけではなく、生命の終焉=死です。死んでから何か教訓を得ても何の役にも立ちません。
海外で、たくさんのスポーツドライビングのスクールが開かれたり、モータースポーツに関する本が出版されている背景には、先輩ドライバー達が後進の活躍と無事を願う、祈りの気持ちがあります。多くの先輩ドライバー達が、自らの教訓を風化させずに伝えていこうと努力しています。マシンに乗りステアリングを握る前に、学ばなければならない多くの教訓があるのです。
2000.08.12