チャイルドシートの問題3

 2002年2月18日の朝日新聞に次の様な記事がありました。

「安全性能に欠陥が見つかり、メーカーの自主回収対象になった国産チャイルドシートが、99年からの3年間で生産量(95年以降)の5%、43万台に及ぶことが国土交通省の調査で分かった」

チャイルドシートの品質

 かねてから不安に思っていたとおり、現在発売中のチャイルドシートの中には、かなりの割合で品質に問題のある商品が存在します。しかし、チャイルドシートが命を守る道具であることを考えれば、その割合が生産量の5%というのはあまりにも高すぎないでしょうか。

 メーカーの自主回収というのはあくまでメーカーの良心と良識とに従って自主的に行われるものですから、実際には品質に問題があるのに、自主回収の必要なしとされているものもあるかもしれません。そう考えると、本当に不具合のある商品はもっと多いと認識した方が良さそうです。

 こうしたチャイルドシートの不良品質の問題が、チャイルドシートを使わないで済ませようとする安易な人々を助長する様な格好になってしまうのは大変に残念なことです。

衝突安全性の問題

 国民生活センターの衝突安全性テストにおいては、国土交通省の設けた安全基準を満たしていない商品があることもわかっています。「安全基準合格」となっていても、実際に安全基準を満たしているかどうかはわからない、ということです。

 こうした検査結果の食い違いをあれこれ詮索するより、消費者としてはしっかり情報を収集して、より確かな製品を手に入れるべきでしょう。お役所のお墨付きよりは、実際の商品テストの方が説得力はありますが、テスト方法の子細なども影響しますので、その点はよく考慮すべきでしょう。

 チャイルドシートに関する衝突安全性のテストはまだまだ始まったばかりで、データが十分ではありません。これからどんどんこうした研究が積み重ねられていくことを切に希望します。

リコールの問題

 チャイルドシートは自動車の安全部品でありながら、取り付けが消費者に一任されており、整備点検の義務もありません。さらに、問題のある製品が見つかった場合も、メーカーの自主回収に任されており、リコールの対象とはなっていません。自主回収の場合、おそらく店頭に残っている品物のみが対象になり、販売されてしまったものについては野放しになっているものと思われます。

 メーカー側の言い分としては、消費者の住所・氏名・連絡先などがわからないために、リコールの連絡が難しいということを挙げています。しかし、消費者に直接連絡がつかないからこそ、リコールとして公に発表し、メーカーが責任を持って回収に当たるべきではないでしょうか。

 乳幼児のいる家庭は、何かと出費が多いものです。チャイルドシートは、ある時期を過ぎれば確実に要らなくなるもので、なるべく安く済ませたい消費者が多いはずです。しかし、それにつけ込む様にして、粗悪で安価な商品を売ろうとするメーカーもあるでしょう。

 ですから、賢い消費者は値段よりも、まずその安全性に目を向けて欲しいと思います。また、よりよい品物を選択するための情報をもっと手に入れるため、メーカーや消費者団体に働きかけていくべきです。いったん失われたあどけない笑顔は、いくらお金を積んでも決して帰っては来ないからです。

2002.02.21