乗車中の子供の命を守るために、チャイルドシートが必要不可欠なのは事実です。しかし、チャイルドシートには、まだまだ研究・開発の余地もあるように思います。
チャイルドシートの取り付けや、子どもの乗せ降ろしが実に面倒で難しいことはよく知られています。以前の調査で、きちんと取り付けられているチャイルドシートは全体の約3分の1という報告がありました。残りは取り付け方が不十分であるか、取り付け方が間違っているというものでした。全く固定せずに、ただ座席の上に乗せただけ、というものも多かったそうです。だからといって、「きちんと取り付けないユーザーが悪い」と言い切れるでしょうか? 大半の人がきちんと取り付けられない製品というのは、製品自体にも問題があると考えた方が良さそうです。
現在普通に使用されているチャイルドシートは、車の座席の上に乗せて、シートベルトで固定するシステムになっています。車の座席そのものが柔らかく、表面が凸凹で不安定な土台であり、3点式シートベルトでの固定には物理的な限界があると思います。チャイルドシートそのものの品質が確保されても、車のシートとの相性による安定性や、固定のされ方、固定の利き具合などによって、その効果が不確定であるのは免れません。子供をいくら縛り付けても、チャイルドシートそのものがひっくり返ったり、飛び出したりするようでは、せっかく装着した意味がありません。
むしろ、車の座席を取り去って、チャイルドシートに乗せ替えるなど、シャシーに直結したレールやフレームにきちんと固定した方が良さそうに思います。ただし、こうした方法では、簡単にシートレイアウトを変更することは難しくなります。しかし実際には、チャイルドシートをいちいち乗せたり降ろしたりする人は少なく、特別なことのない限り、車の使い方もそう多様ではないはず。またそうした特別な場合には、タクシーやレンタカーを利用してもいいのではないでしょうか。
また、赤ちゃんの発達、発育の状況はそれぞれによっても違い、月齢や、身長・体重だけでは「適切なシート」を決められない場合もあります。たとえば、体の一部に障害があったり、発達が遅れたりしている児の場合です。このような場合は、小児科医と相談して適切なシートを用意する必要がありますが、小児科医のすべてがこうした問題に関心を持っているわけではなく、保護者が相談しない限り、チャイルドシートの問題にまで言及しない医師が多いでしょう。
ついでに書いておくと、赤ちゃん用の「かご」をチャイルドシート代わりに使うことは、衝突安全保護の意味がないばかりか、かえって転落の可能性が大きく危険です。
2009.08.11改訂