女性ドライバーの問題点
前回、女性ドライバーは筋力的に不利だという話をしました。今回は、それ以外の要素についても考えてみたいと思います。
まずひとつには、女性に限らず、体格の小さいドライバーにはハンデがあるということです。ときどき、対向車の運転席に誰も座っていないように見えてビックリすることがありますが、よく見ると座高の低いドライバーが、ステアリングの陰に隠れるようにして乗っています。
目の高さが低くなるほど、死角(見えていない範囲)は大きくなります。女性ドライバーの多くが車庫入れを苦手にしているのは、車の周囲の死角が大きいためではないかと私は思います。見えていない範囲が大きくなるほど、危険の有無を確認するために必要な時間は長くなり、見えていないために操作に自信がなく、のろのろしてしまいます。それではシートの高さを調節したら、と思いますがが、実際にはシートを高くすると足が届かなくなったり、ステアリングに膝があたってしまったり、あるいはシートの高さを調節できない車に乗っている女性も少なくないのです。とにかく体格の小さい人は、周囲の視界が悪くなりやすく注意が必要です。
二つ目は、女性ドライバーのほとんどが、軽自動車やリッターカーなどの比較的安い車を使用していることです。安くていい車も一部にあるとはいいながら、やはりほとんどの場合、車の性能はその価格に対応しているように思います。安い車は運動性能も劣るし、衝突安全性も劣る場合がほとんどではないでしょうか。小回りが利く、燃費がいいなど、女性が求めるいい車が本当に女性ドライバーにとって優れた車であるのかどうか、ちょっと疑問に思います。
三つ目には、女性は立体視の能力が男性より劣るということがあります。空間の中での位置関係や、動きのあるものの位置を捉える3次元的な視覚認知については、女性よりも男性の方が優れているといわれています。それははるか昔、男性は狩猟や戦闘などのために3次元的な視力、立体視や動体視力を多く必要とされたからと考えられています。
車の運転には、この3次元的な視力がとても重要です。すべてのアクションは、視覚情報に基づいて調節されるからです。女性の場合には、周囲の立体的な位置関係の把握に少し時間がかかると考えられます。そのために、右左折や車線変更が苦手なことが多いのです。それを補うためには、男性よりもさらによく周囲を見ていることが大切です。ところが運転に余裕がないと、周囲に十分な注意を払うことも難しいのです。また、女性に方向音痴が多いのも、立体的な視覚認知が不得意なことと関係していると言われています。そのためにどっちへ行ったらいいかわからなくなって、もたもたしていることが多いのです。
四つ目には、女性ドライバーの車や運転に対する関心の低さがあげられます。もし女性が運転に関心を持ったとしても、それについての情報を手に入れるのはなかなか難しいでしょう。ほとんどの車雑誌は男性読者を対象に書かれていて、書店でも「男性誌」のコーナーで扱われていることがあります。女性向けの雑誌に自動車の記事が載ることはほとんどなく、たまに載ったとしても、かわいい色や形の新車の紹介や、ドライブコースの紹介などがほとんどです。こうした知識のなさは、女性の運転が上達しない一因になっていると思います。
女性の友達と車の話をしていると、バンパーがどこについているか知らない人も珍しくないし、どこにエンジンがあるのかわからない人も多いし、ウィンドウウォッシャー液は雨水だと信じている人もいて、本当に車のことを知らない人が多いのです。しかし皆様ご存じのように、自動車事故で他人に死傷を負わせた場合にはすべて業務上過失として裁かれます。免許をもらって自動車を運転している以上、普通のドライバーもみなプロとみなされるわけです。知らなかったでは済まされないのですよね。ですから女性ドライバーも、最低限それに見合っただけの知識を身につけたいものだと思います。
2000.04.24