パドックを見よう3

 選手達の体格をチェックした後は、選手達の表情や調整の仕上がり具合を見ていきましょう。

 あなたの応援する選手は、どんな表情をしていますか? 眉間にしわを寄せて、難しい顔をしていますか? 落ちついた表情をしていますか? あるいは何かに怒りをぶつけていますか?

 レースの日の選手は、少なからず緊張感、あるいは多少の気分高揚を伴っているはずです。ですから、どうしてもピリピリムードになってしまいがちですよね。ましてや、練習走行の内容に不満が残ったり、マシンに問題があったりすれば、尚のことです。

 そんな中で、うまくリラックスできることは、試合中の集中力を高め、試合に向けて体力を温存するためにも重要なことです。ピリピリとして緊張の高い状態を続けると、それだけでよけいなエネルギーを消費してしまうからです。

 あなたの応援する選手の声を聞いてみましょう。どんな声で話していますか? 

 興奮状態にあると、声は自然とうわずって甲高い調子になります。逆に、落ちついているときには低い調子になります。ただ、マシンの走行中であれば、パドックはどうしてもうるさいですから、大きな声で話そうとするので、その分だけ声が甲高くなるのは仕方のないことです。

 レースの日なのに、笑ったりふざけたりしているのはけしからん、と思う人も多いかと思いますが、楽しい気分で笑えることは、精神的には優れた状態と言えます。楽しい気分でいることは、それだけで身体の免疫力を高める働きがあり、優れたパフォーマンスを引き出す助けにもなります。

 好きな本や音楽に浸るのもいいでしょう。静かにイメージトレーニングするのもいいでしょう。あるいは、親しい友人や恋人が心を和ませてくれることもあるでしょう。昼寝をするのも悪くはありません。

 レースの日、選手は一日中、レースに向けてのコンディション調整を続けなければなりません。一番大切なのは、水分の管理です。

 暑い陽射しの中、うろうろ出歩いているようでは、ましてや、日焼けして黒くなろうなどと甲羅干しをしているようでは、レースのために必要な水分をどんどん失ってしまいます。

 水分管理をまじめに考えている選手は、一日中こまめに飲み物を飲んでいます。ですから、どうしてもトイレに行く回数も増えてしまいます。

 十分に水分管理ができている選手では、レース直前には水分で体重が増えています。顔つきが、ふだんより、むくみっぽく見えるかもしれません。でもそのむくみは、レース後にはすっかりなくなって、すっきりした顔立ちに戻っていることでしょう。

 他のスポーツではごく当然のことですが、肉体の管理に熱心な選手であれば、空いた時間にはストレッチをしたり、マッサージを受けたりします。あるいは軽くジョギングをしてウォームアップをしたり、筋肉の疲労回復を計ったりということも、あってしかるべきでしょう。しかし、残念ながら日本のパドックで、そういう選手を見かけることはあまり多くありません。他のスポーツを経験してきた人から見ると、実に意外なことかもしれませんね。

2002.06.23