パドックpaddock・・・モータースポーツファンなら誰でも知っている単語のひとつでしょう。試しに大辞林になんと書いてあるのか調べてみると、
- 1 競馬場で、レース前に出走馬を引き回して見せる場所。下見所。
- 2 自動車レース場で、出場する自動車を整備点検する場所。
- 3 ドッグレースで、レース前に犬を引き回して見せる場所。
とありました。ここでいうパドックとは、もちろん2番目の意味です。
ファンにとっては、パドックパスがないと入れない特別なエリアであり、憧れのドライバーやレースクイーンを近くで見られる貴重な空間でもあります。ドライバーのサインや写真が欲しい人なら、ぜひとも立ち寄りたい場所でしょう。一方で、関係者にとっては、車の整備や調整を行う仕事場であり、ゲストや後援者をもてなす社交場でもあります。
しかし、もともとpaddockという英単語には「柵で囲った小牧場」というような意味があり、1や3の方がより語源に近いようです。サーキットのピットガレージやその裏のエリアをパドックと呼ぶのは、それを転じたものでしょう。つまり、サーキットのパドックというのは、出走する車(やドライバー?)を下見して品定めする場所、という意味だったのではないかと思うのです。
さて、競馬場のパドックを馬が引き回されるとき、人々は馬の毛並みの色つや、肉のつき方やしまり具合を見るでしょう。前走よりも痩せたとか太ったとか、そうしたことももちろん話題になります。あるいは、馬が落ちついているか興奮しているか、そうしたことも判断の材料になるでしょう。そうやって馬を近くで見ることで、その能力、つまりは勝負の行方を占っているのです。それも競馬を楽しむひとつの要素になっているはずです。
では、レースの場合はどうでしょうか? パドックで人々が見ようとしているのは、マシンの色つやでしょうか? セッティングの違いでしょうか? タイヤの摩耗の具合でしょうか? ここはひとつ、「パドック」の本来の意味に立ち返って、ドライバーもよく見てみませんか?
というわけで、やや悪趣味かつ下世話な話とは思いながら、今回はパドックで「ドライバーを見る」ことについて書こうと思うのです。
2002.05.31